■お茶の伝来とカテキンのブーム
日本の茶の間に古くから名脇役としてあった日本茶。中国茶などの陰に隠れた時期もありましたが、最近、身体の調子を整えるカテキンの効用が注目され、ブームになっています。カテキン表示の商品は、コンビニエンスストアにも並ぶ“人気者”。カテキン効果と日本茶を生活に取り入れる方法を紹介します。
お茶が日本に入ってきたのは鎌倉時代です。庶民に広がったのは江戸時代と言われています。日本にお茶を伝えた栄西禅師の言葉には『茶は養生の仙薬なり』という言葉がありますが、昔の人はお茶が身体に良いということを知っていて、上手に生活に活かしていたのでしょうね。
■含有量は三番茶がトップ
静岡県の農業技術研究機構野菜茶業研究所によると、一年間で最初に摘む一番茶(新茶)には17.25%のカテキンが含まれているのに対し、三番茶は21.32%と含有量がアップします。美味しいお茶は一番茶の柔らかな新芽ですが、カテキンは茶葉が日光を浴びるほど増えるため、二番茶・三番茶と摘む時季が夏になるほど多く含まれることが分かっています。もちろん、ビタミンやフッ素、ポリフェノールなども入っています。
■抽出方法によって違いも
お茶を入れるときのお湯の温度によってもその含有量には違いがあります。熱湯などの熱いお湯で入れるとカテキンが多く含まれ渋くなりますし、逆に水出しなどの場合にはポリサッカロイドが多く抽出され、甘くなります。
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カテキンは、コレステロールの低下や抗菌、風邪予防にも役立つ成分。ポリサッカロイドは血糖値の低下に役立つとされる成分。その使用目的によって、入れ方を変えるのも一案かもしれませんね。
■うがいや洗顔にも利用
うがいには、ペットボトルに三番茶を作りコップに入れていつもどおりにうがいします。特に喉に来る風邪の予防などに役立つそうです。また、洗顔に利用するという方法もあります。三番茶をガーゼのハンカチに包み入れてお湯を張った洗面器の中に投入し洗顔という方法も。つっぱらずに化粧水いらずという報告もあります。
また高齢者介護で殺菌や消臭などの目的で、お茶で身体を拭くという方法をしている施設も。水虫の治療にお茶で洗うよいという民間療法もあり、その活用方法は限りないですね。 |